神に告白し、盟約を結ぶ

序

　ネヘミヤ8章9節に、民は聖書の朗読を聞いて泣いていたとあります。その時、ネヘミヤは、「今日は…主にとって聖なる日である。悲しんではならない。」と言いました。それで民は皆、ごちそうを食べ、喜びました。翌日エズラと族長や祭司たちは、律法を調べ、長年、仮庵の祭りを祝ってこなかったことを悟り、仮庵を作りました（8:14～18）。この祭りは、エジプトから脱出でき、荒野で仮住まいしたことを記念し、毎年、仮小屋に住むように命じられたことに由来します（レビ23:42,43）。

　ネヘミヤ9章1～5節には、仮庵の祭りの後で、イスラエルの人たちが、律法を守ってこなかったことに気づき、自分たちと先祖の罪を告白し、聖書を朗読して、主に大声で祈ったことが記されています。私たちも信仰生活において、ルーズになっていたことがあるなら、改めなければいけません。

　この礼拝の祈りは、神への賛美で始まっています（9:5）。私たちも、言葉では言い表すことのできない神の偉大さを、もっと褒めたたえましょう！

1.今あるは主の恵み（ネヘミヤ9:23～31）

　16～31節には、イスラエルが、その恵みの主にいかに背いていたか、それにもかかわらず、主が彼らを憐れんで赦し続けてくださったかが記されています。9～20節は出エジプトの出来事、21節は荒野の40年、22節はヨルダン川東側の土地を取得できたこと、そして23～25節はヨルダン川の西側の土地を所有できたこと、26～31節は士師時代から王国時代を経て、分裂王国時代に至るまでの民の反抗、及び神の裁きと哀れみの歴史が記されています。

　私たちも今の自分の人生を振り返り、「神の恵みによって、私は今の私になりました。」（Ⅰコリント15:10） と告白しましょう！

2.主の前でへりくだる（ネヘミヤ9:32～38）

　32～38節では、彼らはすべてのことにおいて、神は正しく私たち悪を行いましたと、罪を告白しました。

　紀元前722年、アッシリア帝国によって隣の北王国イスラエルは、首都サマリアが陥落し、滅亡しました。そして紀元前586年、バビロニア帝国によってついにユダ王国も滅亡し、民はバビロンに捕囚となりました。ところが、ペルシア帝国の王の代が替わり、寛大な政策によって帰還し、神殿再建と城壁修復ができました。しかし、ペルシアの属国として、政治的にも経済的にも支配されていたため、労働の実である収穫の多くを、税として帝国に納入しなければなりませんでした（9:37）。「私たちは奴隷です。」（9:36）と、2度も繰り返し嘆く困難のすべては、自分たちの罪によるものでした。民はこの日から、神に従って新しい出発をする決意をしました。このことが10章の堅い盟約によって明らかにされました。神との契約は3つの方法で結ばれました。

　① 聖別の実行 「イスラエルの子孫はすべての異国の人々と関係を絶ち、」（9:2）

　② 罪の公の告白（9:16～19、26～31、33～37）

　③ 盟約書の署名捺印（9:38～10:29）

　「盟約」（9:38）と訳された原語は「アマーナー」で、動詞は「アーマン」、確かである、真実であるという意味です。副詞は「アーメーン」で、まことに、確かにという意味です。彼らは自発的に神に仕えていこうとの呼びかけに、真実に応答したことが、この盟約という言葉でわかります。 昔、スコットランド（イギリスの北部）のキリスト者たちは、主に従う決意の表明をしばしば紙に書き出しました。これは彼らの決意を強め、彼らの考えと意図を明確にする助けとなりました。私たちも、今週、御言葉により聖別され、示された罪を神の前で悔い改め、神への決意を書き記し、自分の信仰をはっきりと自分で確認しましょう！