聖なる神の都

序

　黙示録21章と22章には、人類の歴史の終わりに訪れる「神の都」、すなわち「新しいエルサレム」の幻が描かれています。ここでは、神が私たちに用意された、想像をはるかに超える素晴らしい世界が啓示されています。これらの章は、地上での苦難を耐え忍んできた人々にとって、希望に満ちた約束のメッセージです。

1.都の光（黙示録21:22～27）

　ヨハネは「私は、この都の中に神殿を見なかった。」（22節）と言っています。1世紀の多くのユダヤ人の願いは、ローマによって破壊された神殿の再建でした。しかし、天の都には神殿はありません。神殿は神の臨在を象徴するものでしたが、新しい都そのものが神の臨在であるため不要になりました。

　23～26節は、イザヤ60章の終末預言からです。やがて終わりの日に、神の民は主の栄光の光に包まれます（イザヤ60:1～3）。様々な国々の海の富、財宝などが運ばれ（4～6節）、島々や外国人たち、王たちも金銀を運んできます（7～10節）。門はいつも開かれ （11節）、反逆する王国は滅びます（12節）。

　イザヤは、神が都の光となることを預言していました（イザヤ60:19）。その約束がイエス・キリストの受肉において成就しました。闇の世に神の光が輝きました（ヨハネ1:5,9）。キリストは世の光として来られ（ヨハネ8:12）、明けの明星として神の民を照らされます（黙示録22:16）。

　キリストの再臨によって、地上の王国は贖われ、神のものとなり、諸国民は完全に和解し、国々はキリストによって一つとされ、約束の都に導かれます（24節）。

　都の門は12あり、それぞれが一つの真珠でできていました。その門は、決して閉じられることはありません（25節）。なぜなら、聖なる都を攻撃する敵、悪魔も死もハデスも火の池に投げ込まれたからです（20:10,14）。キリストの再臨によって万物の和解が実現し、完全な安息と平安に満たされます。諸国の民は、栄光と誉れを神の都に運び入れますが（21:26）、汚れたものや偽り行う者は都に入れず（27節）、子羊キリストによって救われ、その名が命の書に記された者だけが都に入ることができます（27節）。イエス様を信じることはなんと素晴らしいことでしょう。是非、家族や友人にこのイエス様を伝えましょう！

2.いのちの川（黙示録22:1～5）

　22章では、御使いがヨハネにいのちの水の川を見せました（1節）。神の民は、子羊によって、いのちの水の泉（黙示録7:17）へ導かれ、父なる神によってそこから飲むことができます（21:6）。このいのちの水は旧約預言の成就です。エデンの園には、4つの川が流れていました（創世記2:10～14）。人間はエデンの園で暮らしていましたが、罪を犯し、エデンの園を追放されました。そして、死ぬべき存在となり、命の水の源である神を離れ、他国の神に向かいました（エレミヤ2:18）。しかし、そのような民を主は憐み、「渇いている者はみな、水を求めて出て来るがよい。」（イザヤ55:1）と言われました。

　イエス様も「だれでも渇いているなら、わたしのもとに来て飲みなさい。」（ヨハネ7: 37）と呼ばれました。また、イエス様を信じる者は、その心の奥底から生ける水の川が流れ出るのです（38節）。その川とは御霊です（39節）。

　都の大通りの中央を、いのちの川が流れ、その両岸には12種の実を結ぶいのちの木がありました（黙示録22:2）。いのちの木はエデンの園の中央にありました（創世記2:9）。しかし、善悪の知識の木の実を食べたアダムとエバは園を追放され、土のちりに帰るものとなりました。新しいエルサレムの祝福は、エデンの園をはるかに超えています。それらの木は毎月実を結び、12種の実がなりました。その木の葉は、諸国の民を癒し（黙示録22:2）、天の都では、呪われるものは何もありません（3節）。神のしもべたちは主にあって喜び、神に仕え礼拝します。

　「今は、私たちは鏡にぼんやり映ものを見ていますが、そのときには顔と顔とを合わせて見ることになります。」（Ⅰコリント13:12）。新しい神の都では、神の御顔を仰ぎ見ることができるのです。このように黙示録は、教会が、正しく、主にお会いできるように整える啓示の書です。主よ、私たちをキリストの花嫁として、みことばによって整えてください！神の都でイエス様の御顔を仰ぎ見ることができますように、日々罪を悔い改め、歩むことができますように。御霊に満たし、私たちの内からいのちの水の川が溢れ流れ出しますように！アーメン。