神に会う備えをせよ

序

　アモスはベツレヘムの南のテコアの牧者で、南ユダの民でした。それなのに、「（北）イスライルについて彼が見た幻」（1:1）とあります。彼は「牧者（羊飼い）であり、いちじく桑の木を栽培していた。」（7:14）時に、主が彼に御言葉を伝える使命を与えられたのです（7:15）。

　北イスラエル王ヤロブアム2世の時代、国は非常に繁栄していましたが、偶像礼拝と暴虐と偽りに満ちていました。ヤロブアムの死後、わずか30年ほどでアッシリアによって滅びました。それで、主はアモスを北イスラエルに御言葉を語るように遣わされたのです。

　アモスが北イスラエルを去った後、預言者（神の御言葉を語る者）として活動したのが、ホセアです。アモスの働きが終わろうとしていた時、南ユダでは、イザヤとミカが神の御心を伝えました。このように神は多くの預言者を送り、民が神に立ち返るように呼びかけたのです。

　北イスラエルの首都サマリアは、美しい丘の上にあり、そこには、大きな邸宅がありました。それは貧しい者を苦しめて、建てられたものでした（2:6～7、3:10、5:11、8:4～7）。アモスの語った場所ベテル（3:14）は、北王国の宗教的中心地で、ヤロブアム1世はここに金の子牛を置きました（Ⅰ列王12:25～33）。この堕落した偶像礼拝の中心地に、アモスは神からの最後の警告を携えてやってきたのです。

1.神に会う備えをせよ（アモス4:4～13）

　4～5節は、ベテル、ギルガルなどで行われていた宗教行事が、神への背き以外の何物でもないことを告げる主の言葉です。6～11節で主は、それは彼らが決して主を求めなかったからであることを示しておられます。主は彼らに飢饉、干ばつ、災害、疫病、地震などで、彼らの偶像への信仰の虚しさを示されましたが、彼らは神に立ち返ろうとしなかったのです。「あなたの神に会う備えをせよ」（12節）と、ご自身が万物の創造者、審判者、暁と暗闇を造る全地の支配者であることを告げられました（13節）。万物の創造者、全地の支配者、万軍の神の前に、まず跪くことから毎日を始めましょう！

2.神が人となられた（ヨハネ1:14）

　今日からアドベントの第2週に入りました。まことの神であられる神の御子が人となられたということは不思議なことです。「ことばは人となって、私たちの間に住まわれた。私たちはこの方の栄光を見た。父のみもとから来られたひとり子としての栄光である。この方は恵みとまことに満ちておられた。」（ヨハネ1:14）

　この御言葉には、イエス・キリストの生涯を目撃した者たちの証言が記されています。彼らは、神のひとり子の偉大さとその栄光を目撃したのです。

　14～17節には、受肉された御子イエスが「恵みとまことに満ちておられた」（14節）ことが証言されています。律法はモーセによって与えられた聖い良いものです。しかし、律法によっては誰一人、神の前に義人として立てないのです。律法そのものには人を新しく造り変える力がありません。律法を守ろうとしても、守れないために、かえって罪の自覚が生じるだけだからです（ローマ3:20）。神は御子を遣わし、私たちの罪を彼に負わせ、裁かれる方法によって救いをもたらされました（24節）。十字架のイエス様に神の恵みとまことが現れているのです。

　「キリストは肉において現れ、霊において義とされ、御使いたちに見られ、諸国の民の間で宣べ伝えられ、世界中で信じられ、栄光のうちに上げられた。」（Ⅰテモテ3:16）パウロは、キリストの受肉を、「肉において現れ」と表現しています。そして、そのことが敬虔の奥義であると教えています。その誕生は次のようでした。住民登録のためにマリアとヨセフは、ナザレからベツレヘムへやってきました。宿屋はどこもいっぱいで家畜小屋で泊まることになりました。その夜、イエス様がお生まれになったのです（ルカ2:7）。私たちは、ベツレヘムへ、あの馬屋の飼い葉桶へ、マリアの膝におられる幼子の所へ行かなければならないのです。この方こそ神が人となられたお方です。私たちの救いのために人となっておいでくださったイエス・キリストの前にひざまずき、感謝の礼拝をささげ、御降誕を心よりお祝いしましょう！