主に立ち返れ

序

　Ⅱ列王記22～23章は、南ユダ王国のヨシヤ王の記録です。ヨシヤ王は、主に忠実に歩んだ王で、それ以降の王はそうでは、ありませんでした。ヨシヤは父アモンが謀反によって殺され、わずか8歳で王になりました（22:1）。

　即位後18年、主の宮の修理を始め、民から集めた金を全て工事の監督者に渡して、力一杯の修理を行わせました（3節以下）。その時、主の宮から律法の書が見つかり、それを読んだヨシヤは、衣を裂いて悔い改めました（11節）。真実な悔い改めのゆえに、彼はエルサレムの滅亡を見ないで、平安に死ぬと主に告げられました（20節）。

　私たちもヨシヤのように、聖書から罪を示された時、直ちに悔い改めましょう！「衣ではなく、あなたがたの心を引き裂け。あなた方の神、主に立ち返れ。主は情け深く、あわれみ深い。」（ヨエル2:13）今、新約時代には、主イエス･キリストの十字架ゆえに、信じる者は滅びることなく、永遠の命が与えられるのです（ヨハネ3:16）。」 　律法の書を読んで、ユダの偶像礼拝の罪とその裁きの恐ろしさを示されたヨシヤは、ユダとエルサレムのすべての人々を集め、主の宮で、主の律法の書を彼らに読み聞かせ、実行することを誓いました（Ⅱ列王記23:2～3）。民もその契約に加わりました。

　ヨシヤはもともと主の宮に仕えていた者たちを、ユダの町々から連れて来ました（8節）。ヨシヤは、彼らの高きところでの偶像礼拝をやめさせました。祭司でさえも主のものと偶像を、識別できなくなってしまっていたのです。彼は、王国分裂の時のイスラエルのヤロブアムの祭壇や偶像を破壊しました（15節）。またソロモン以来の偶像やその礼拝の場を破壊しました（14節）。主のために神殿を建てたソロモンが、既に偶像を持ち込んだのです。 　ヨシヤはヤロブアムの祭壇を破壊した山の中で、墓があるのに気づきました（16節）。彼はその墓から骨を取り出させ、祭壇の上で焼かせ、祭壇を汚れたものとしました。このことはⅠ列王13章1節で、ユダからベテルにやってきた神の人による預言の成就でした。また、近くに見えた石碑は何かと尋ねた時、町の人々は「あなたがベテルの祭壇に対してされたこれらのことを預言した神の人の墓です。」（17節）と答えました。町の人々は300年前に預言された言葉を伝えられていました。ヨシヤは、自分のことが既に預言されていたことを知って、自分を用いておられる神の偉大さを認めたに違いありません。このように神の言葉は必ず実現するのです。神の御言葉を信頼し、日ごとに聖書を読みましょう！

1.主に立ち返れ（Ⅱ列王記23:21～27）

　ヨシヤは律法の書の示すところに従って、過越のいけにえを献げました。「心のすべて、たましいのすべて、力のすべてをもって主に立ち返った王は、彼より前にはいなかった。彼の後にも彼のような者は、一人も起こらなかった。」（25節）とあるように、私たちも不信仰を悔い改めましょう！そして、何よりも主を愛しましょう！「聞け、イスラエルよ。主は私たちの神。主は唯一である。あなたは心を尽くし、いのちを尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。」（申命記6:4～5）

　しかし、ユダもまた他国に捕え移さなければならないという神の御心は変わりませんでした（Ⅱ列王23:27）。それは直接には、マナセが引き起こした主の怒りのゆえであると記されています（26節）。それは、たった一人の罪のためではなく、マナセの罪に凝縮された神の民の、罪の歴史そのもののためでした。

2.ヨシヤ王の最後（Ⅱ列王記23:28～30）

　エジプト王のネコが、アッシリア王をバビロンの手より助けるために出ていきました（29節、Ⅱ歴代35: 20、エレミヤ46:2，紀元前605年頃）。そのネコの軍隊をヨシヤは攻撃しようとしましたが、ネコはユダを相手にしているわけではないので、手を引くようにヨシヤに伝えました（Ⅱ歴代35:21）。ヨシヤの死は、彼の傲慢の結果であったことがわかります。「しかし、ヨシヤは身を引かず、かえって彼と戦おうとして変装し、神の御口から出たネコのことばを聞かなかった。そして、メギドの平地で戦うために出かけた。」（22節）ヨシヤは、内心不安だったのでしょう。変装して行きました。彼は神の御心について、いつも正しい判断ができたわけではありませんでした。私たちもうっかり油断することなく、御心を求めていきましょう（エペソ5:17）。