敵対する者

序

　第Ⅰ列王記10章には、シェバの女王がソロモンの名声を知り、訪問したことが記されています。私たちはソロモンにまさる神の知恵そのものであるイエス・キリストに耳を傾けましょう。「南の女王が、さばきのときにこの時代の人々とともに立って、この時代の人々を罪ありとします。彼女はソロモンの知恵を聞くために地の果てから来たからです。しかし見なさい。ここにソロモンにまさるものがあります。」（マタイ 12:42 ）

　11章にはソロモンの背信と敵対する者たちの出現が記されています。ソロモンは、立派な王でしたが、多くの外国の女性たちを妻や側室としたため、彼女たちがソロモンの心を偶像の神々に向けさせ、父ダビデのように主と一つ心ではなくなりました。それで、「主はソロモンに怒りを発せられた。それは彼の心がイスラエルの神、主から離れたからである。主が二度も彼に現れ、このことについて、ほかの神々に従っていってはならないと命じておられたのに、彼が主の命令を守らなかったのである。」（9～10節）その結果、彼の王国を分裂させ、それを他人の手に渡すと宣告されました。しかし、ダビデとエルサレムに免じて、ソロモンの在世中は裁きを見送り、裁きの宣告においても1部族（ベニヤミンを含むユダ部族12:20～23）はダビデの子孫に残すと言われました（11:12～13）。

1.敵対する者（Ⅰ列王記11:14～25）

　主はソロモンに敵対する者を3人起こされました。「…主は、ソロモンに敵対する者としてエドム人ハダドを起こされた。彼はエドムの王の子孫であった。」（14節）「神はまた、ソロモンに敵対する者として、エリヤダの子レゾンを起こされた。…」（23節）「…ネバテの子ヤロブアムはソロモンの家来であった。…ところが彼も王に反逆した。」（26節）主が二度（3:5の即位の時、9:5の神殿の奉献式の時）も、ソロモンに警告されていたのに、聞き従いませんでした。私たちもそれぞれに弱さを持っていますから、自分は大丈夫だと油断せずに、ソロモンの失敗から学びましょう。「私たちを試みにあわせないで、悪からお救いください。」（マタイ6:13）と祈りましょう！

2.キリストのゆえに（ローマ3:24）

　主はダビデとエルサレムに免じて、ソロモンの在世中は裁きを見送られました（第Ⅰ列王記11:12,13,32）。同様に私たちも、本来は厳しい神の裁きを受けるべき者なのに、ただイエス・キリストの贖いのゆえに、罪を赦され、救われて、神の子とされるのです。 　「そこで、ペテロは彼らに言った。「それぞれ罪を赦していただくために、悔い改めて、イエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けます。」（使徒2:38）この聖書の言葉は、主イエスが復活して50日後、エルサレムに最初の教会が建てられた時、ペテロが人々に語った説教です。ペテロは、救われるために最初にすべき事は「悔い改め」であることを示しました。悔い改めとは私たちの心を180度方向転換することです。神を無視して生きて来たことを認め、神を信じる方向へ向きを変えましょう。それは心の中にイエス・キリストを迎え、神を中心として生きる決心です。そして、自分の今までの行いについて、罪を認め、悔い改めましょう。私たちは神を無視して生きてきた結果、社会的に、また人に対しても罪を犯してきたのです。思い出せる罪をすべて神の前に告白する時に、神の平安で満たされます。罪を捨てる決心をするのです。

　悔い改めて、主イエスを救い主として受け入れることで罪が赦され、永遠のいのちが与えられます。「神の恵みにより、キリスト・イエスによる贖いを通して、価なしに義と認められるからです。」（ローマ3:24）イエス・キリストの贖いの御業の故に、価なしに（無代価、無料で）、神からイエス・キリストの救いをプレゼントとしていただいたのです。神の約束を信頼することによって、その救いを受けることができます。人は行いによって救われることはできません。信仰によってのみ救われるのです。救いの喜びの故に、良い行いに励む者に変えられていきましょう！「人は律法の行いとは関わりなく、信仰によって義と認められると、私たちは考えているからです。」（ローマ3:28）