日に三度祈る

序

　今日は児童祝福式です。人々はイエス様のところに子どもたちを連れてきましたが、弟子たちはそんなことでイエス様を煩わせてはいけないと、連れて来た人々を叱りました。しかし、イエス様は、子どもたちを招かれました。子どもたちが神の祝福を受けられるように、神のもとへ連れて行く責任が、大人にはあるのです（マタイ19:13～15）。手を置く（15節）とは祝福を与えることを意味しています。

　さて、12章からなるダニエル書は大きく2つの部分に分けられます。前半の1～6章は歴史的な出来事を、後半の7～12章は終末の預言を記しています。

　ダニエル書の特徴の一つは神の主権的な支配を教えていることです。地上における世界帝国の支配者たちが現れますが、神はそれらの支配者たちをも支配されます。全世界と全歴史を支配されるのは神であることが強調されています（4:17,34,35、7:14）。神の主権的な支配は、「いと高き方（神）」と言う言葉で表現されています（3:26、4:2,17,24,25,32,34、5:18,21、7:18,25,27）。

　もう一つの特徴は、神の守りです。神はご自分に忠実な者を危険や困難の時に守られます。ダニエルと彼の友人たちは、神に対して忠実なしもべでした。彼らは、火の燃える炉や獅子の穴から助け出されました。しかし、神の主権に反逆し、冒涜的な行いをしたベルシャツァルは神によって一夜のうちに滅ぼされてしまいました（5:30）。

1.祈るダニエル（ダニエル6章）

　ダレイオス王は国を治めるために120人の大守を任命し、その上に3人の大臣を置きました（6:1～2）。その大臣の一人がダニエルでした。「ダニエルはほかの大臣や太守よりも際立って秀でていた」（3節）ために、同僚たちから妬みを買いました。彼らはダニエルを陥れるために、王に、王以外のものを拝む者は、誰でも獅子の穴に投げ込まれる、と言う命令を出すよう進言し、そうなりました。

　ダニエルは、そのことを知りましたが、家に帰り、いつものように日に三度、神に祈ることをやめませんでした（10節）。日に三度の祈りは、詩篇55:17にも記されています。新約においても、弟子たちは、朝9時、昼12時、午後3時に祈っています（使徒2:15、3:1 、10:3,9,30）。

　陰謀を企てた者たちは、王が何とかしてダニエルを助けようとしているのを知って、王のもとに行き、いかなる法令も決して変更されることがないことを確認しました。王は自分が定めた命令によって、信頼するダニエルを失うという苦しい立場となり、やむを得ず、ダニエルは獅子の穴に投げ込まれてしまったのです。しかし、神は御使いを送って、獅子の口を塞がれました。ダニエルのようにいつも祈っていきましょう。「絶えず祈りなさい。」（Ⅰテサロニケ 5:17）

2.義のために迫害される（マタイ5:10）

　ダニエルは信仰のために迫害されました。イエス様は「義のために迫害されている者は幸いです」（マタイ5:10）と言われました。また、パウロも弟子のテモテに、「キリスト・イエスにあって敬虔に生きようと願うものはみな、迫害を受けます」（Ⅱテモテ3:12）と述べています。教会の歴史は迫害と殉教の歴史です。どうして彼らが幸せなのでしょうか。「天の御国はその人たちのものだからです。」（マタイ5:10）

　今日は、迫害下の教会のための国際祈祷日に当たります。世界で約3億6000万人もの信者が迫害に直面する地域に住んでいると発表されています。迫害に苦しむ兄弟姉妹や子どもたち、教会のために祈りましょう。

　また、獅子は信仰者に対する悪魔による迫害の象徴です。ペテロは苦難の中に置かれているクリスチャンたちに対して次のように励ましています。「身を慎み、目を覚ましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、吼えたける獅子のように、だれかを食い尽くそうと探し回っています。堅く信仰に立って、この悪魔に対抗しなさい。ご存じのように、世界中で、あなたがたの兄弟たちが同じ苦難を通ってきているのです。」（Ⅰペテロ5:8～9）ですから、主にあって「その大能の力によって強められ」（エペソ6:10）、「御霊の剣」（17節）をしっかり握り、堅く信仰に立って絶えず祈っていきましょう！「あらゆる祈りと願いによって、どんなときにも御霊によって祈りなさい。そのために、目を覚ましていて、すべての聖徒のために、忍耐の限りを尽くして祈りなさい。」（エペソ 6:18）