神に近づく道

序

　モーセの執り成しによって、主が共にいて下さるという、その保証としての幕屋建設が、民に許されました。幕屋建設が、始まりました（出エジプト35章）。イスラエルの民たちは喜んで幕屋建設に取り組みました。

1.心に知恵のある者（36:1）

　働き人が集められ（36:2）、あり余るほどものが捧げられました（3～7節）。

　幕屋建設は、全て心から進んで捧げる者と、心に知恵ある者達によって進められていきました。滅ぼされて当然の者が赦されて幕屋建設に当たることができるので、そこに喜びがありました。私たちも滅ぼされて当然の者でしたが、主キリストによって罪赦され神の子とされました。そのことに感謝して惜しみなく主のために捧げましょう！

　「一人ひとり、いやいやながらでなく、強いられてでもなく、心で決めたとおりにしなさい。神は、喜んで与える人を愛してくださるのです。」（Ⅱコリント 9:7）

　幕屋建設は、神から知恵を授けられた二人が中心となり神の指示通りに幕屋を造りました。べツァルエルとオホリアブ、および知恵と英知を主から授けられた人々が仕事をしました。

　べツァルエルという名前は、「神の陰（保護）に」という意味です。彼は神の霊に満たされ、卓越した技術を持っていました（出エジプト31:2~5、35:30、36:1~2）。また、そうした技能を教える優れた教師でもありました（35:34）。

　オホリアブは「父の天幕」と言う意味です。会見の天幕の建設と調度品作成や、他の人を教えることで、べツァルエルを助けるように任命されました（31:6~11、35:34）。

　奉仕に必要な知恵は、神が授けられました。彼らは神から与えられたものを神の栄光のために用いました。私たちも神から与えられた賜物や知恵を、神の栄光のために、皆の益のために用いていきましょう！

　それぞれが賜物を受けているのですから、神の様々な恵みの良い管理者として、その賜物を用いて互いに仕え合いなさい。（Ⅰペテロ 4:10）

2.幕屋（36:8～31）

　ここには、聖所の上に掛ける4種類の天幕（8~19節）、幕屋の骨組みの板（20~34節）、聖所の中の垂れ幕と入り口の幕（35~38節）について記されています。

　聖所と至聖所を仕切っていたのが、この美しい垂れ幕です。それには、神の臨在の象徴であるケルビムが織り出されていました。この幕を通らなければ至聖所に入ることはできませんでした。

　キリストが十字架の上で死なれた時、この垂れ幕が上から下まで真っ二つに裂けました（マタイ27:51）。上から下に向かって裂けた事は、幕が神によって裂かれたことを意味しています。この垂れ幕は、イエス・キリストの肉体の予表であり（ヘブル10:20）、それ故、キリストの肉体が十字架で裂かれた時、この幕も裂けたのです。今は誰でも、キリストを通して天国に入ることのできる道が開かれたのです。「こういうわけで、兄弟たち。私たちはイエスの血によって大胆に聖所に入ることができます。」（ヘブル10:19）

　今日は召天者記念礼拝です。イエス様こそ神に近づく唯一の道です。「イエスは彼に言われた。「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれも父のみもとに行くことはできません。」（ヨハネ14:6）

　神は私たちを救うため御子キリストを遣わされました。キリストは私たちの罪を負って、十字架で死ぬことにより、私たちが罪赦され、神と和解することができるようにしてくださったのです。しかも、キリストは死から復活し、永遠の命を与える救い主であることを明らかにされました。

　どうぞ自分の心で信じようと決心なさってください。祈ってみてください。「神様、私は今まであなたを知らず、あなたを無視して生きてきました。どうぞ赦してください。」と。それが信仰の第一歩です。神を信じるときに、私たちと神の関係が変わります。罪が赦され、私たちは神の子とされます。神を、父と呼ぶことができるのです。唯一の救い主イエス・キリストを信じましょう！