知恵の道

序

　箴言4章は、知恵の大切さ（1～9節）、知恵の道と悪の道（10～19節）、心を見守れ（20～27節）の3つに分けられます。1～9節では、何をおいてもまず知恵を求めることの重大さを教えています。知恵を得るものは命（4節）、保護（6節）、誉れ（8節）を得ることができます。

1.知恵の道と悪の道（10～19節）

　ここでは、知恵の道、正しい人の道を選び取るようにと勧められています。知恵の道は、まっすぐな道筋、正しい道（11節）であり、正しい人の道は何者によっても妨げられず自由を持っているのに対し（12節）、悪者の道は何につまずくかわからない危険な道、暗闇です（19節）。正しい人の道が、あけぼのの光のようにいよいよ輝きを増して真昼になるとは、知恵によっていよいよ成長し、輝く人生となり、神の祝福に預かるという意味です（18節）。ですから、「悪しき者たちの進む道に入るな。悪人たちの道を行ってはならない。」（14∼15節）と教えています。この14節の教えは大切なので、何度も繰り返し書かれています（1:10~19，2:12~15）。

　ヨセフは断固として罪の誘惑を拒絶しました（創世記39:10）。その結果、汚名を着せられ牢獄に投げこまれましたが、神はやがて彼をエジプトの総理大臣とされました。このようにして神は、ヨセフの選んだ正しい歩みの先に、祝福と、さらに家族を救う計画まで用意しておられたのです。

　イエス様も2つの道を教えられました。「狭い門から入りなさい。滅びに至る門は大きく、その道は広く、そこから入って行く者が多いのです。いのちに至る門はなんと狭く、その道もなんと細いことでしょう。そして、それを見出す者はわずかです。」（マタイ7:13∼14）　広い道は、滅びに通じます。神からの分離と霊的な死です（ローマ6:23）しかし、キリストを信じ、狭い門から入り、キリストに従う細い道を歩むなら、永遠のいのちに至るのです。細い道の途中で倒れることがあっても、「もし私たちが自分の罪を告白するなら、神は真実で正しい方ですから、その罪を赦し、私たちをすべての不義からきよめてくださいます。」（第Ⅰヨハネ1:9）。こうして、わたしたちは、主とともに細い道を歩き続けるのです。悪の道、広い道でなく、知恵の道、細い道を歩みましょう！

2.心を見守る（20～27節）

　ここでは心を傾けて教えを聞くように勧められています。心という言葉が何回か出てきますが、旧約聖書においてはこの言葉、心とは、それは理性（箴言3:3、6:32、7:7）、感情（15:15,30）、意志（11:20、14:14）をも含めた全人格を表しています。知恵を心の内に保つときいのちが与えられます（22節）。そして、いのちは心から湧いてきます（23節）。ですから、心はすべてのものに勝って守らなければならないのです。人間は堕落したので、心から悪いものが出てきます（マタイ15:18）。また、誘惑は目から入ってきます（創世記3:6）。目の欲という表現もあります（第Ⅰヨハネ2:16）。ですから、目が悪い誘惑に向くのではなく、前を向くように勧められています（箴言4:25）目の欲や自分の内側にある罪を認め、悔い改めるなら、イエス様からいのちの水が与えられます（ヨハネ4:14）。

　また、嘘や偽り（曲がったことを言う口、ゆがんだことを言う唇）を取り除けと教えられています（箴言4:24）。偽りは人格をダメにします。偽りを悔い改め、イエス様を信じましょう。イエス様はあなたや私のために十字架にかかって死んでくださったのです。主を信じる時、神が私たちの頭を高く上げてくださいます（詩篇3:3）。そして、前方を見て生きることができるのです（箴言4:25）。この知恵の道を歩めるように、右にも左にもそれないように（27節）、心を見守りましょう（23節）！