主はよみがえられた

序

　今日はルカ24章1～35節までの箇所から説教いたします。24章は大きく3つの部分に分かれています。 ①空（から）の墓に訪れた女性たちに現れた二人の御使いの証言（1~12節）。②エマオへの途上の弟子たちに現れたイエス様の証言（13∼35節）。③11人の使徒たちに現れたイエス様の証言（36∼53節）。

　そのうちの最初の二つの部分から、主からの語り掛けをいただきましょう。

1.御使いの証言（1～12節）

　イエス様を埋葬するときに、その様子を見ていた女性たちは安息日が終わった翌日の早朝（日曜日）、葬りのための香料を持ってイエス様が収められた墓に赴きました。墓に着くと、墓の入り口を塞ぐ石が脇に転がしてあり、墓の中には主イエスのからだはなく、途方に暮れていると、二人の御使い（参考 マタイ28:5）が現れました。墓の入り口の石は主の御使いが転がしたのです。何のために御使いは、墓の石を脇に転がしたのでしょうか。それはその女性たちがイエス様の遺体が墓の中にないことをはっきりと知るためでした。誰一人、日曜日の早朝イエス様の復活の出来事を見たものはおりませんでした。その事実の証人となり得るのは、この二人の御使いしかいません。その二人が女性たちに、イエス様の復活の事実を伝えたのです。女性たちはイエス様の御言葉を思い出しました。それは、イエス様が十字架につけられた後、必ずよみがえるとおっしゃっていたことです。イエス様がよみがえられたのは事実なのだと、女性たちは確信できたのです。そして、その女性たちは使徒たちに一部始終を伝えました。しかし、彼らはこの話はたわごとだと思いました。弟子たちでさえも、最初は信じることができなかったのです。

2.聖書を解き明かされるイエス様（13～35節）

　ちょうどその日、二人の弟子がエマオへ向かっていました。そこへ、よみがえられたイエス様が現れたのです。しかし、彼らはその方がイエス様だと気が付きませんでした。見知らぬ旅人だと思ったのです。その理由は彼らの目が遮られていたからです。復活のイエス様は彼らに、キリストは必ず苦しみを受け、それから栄光に入るはずだと、聖書全体を通して解き明かされました。聖書全体は神がどのようなお方か、また神がどのように人間を救おうとされるのかを教えているのです。御言葉が解き明かされることによって聞く人々の心が燃えたのです。二人の弟子はもっと話を聞きたいと思い、その旅人に一緒に泊まるように願いました。

　夕食の時、イエス様がパンを裂かれると、その二人はその方がイエス様であると分かりました。私たちは、霊の目が開かれるときにイエス様だと悟るのです。 霊的な目が開かれなくては、イエス様の復活を確信することができません。霊の目が開かれるように祈りましょう（詩篇119:18）！ また聖書の全体が、イスラエルの長い歴史の中で、神は罪深いイスラエルの民を選び、導き、懲らしめを通して回復させたことを教えています。この憐れみ深い神がわたしたちのために救い主イエス様をこの世に送られたのです。救い主イエス様は私たちの罪のために十字架にかかり、よみがえられたのです。このように、聖書全体が神の救いのご計画を証言しているのです。

　復活こそ、十字架で死なれたイエス様が真の救い主であることの証明です（使徒2:32,36、ﾛｰﾏ1:4）。ルカはこの福音書をローマの高官であったテオフィロに宛てて書いています（ルカ1:3∼4）。イエス様の復活が正確な事実であることを分かってもらうためでした。ルカは、それだけでなく全世界の人々にそのことを証言しているのです。復活の信仰にしっかり立ちましょう！