主のことばの成就

序

　第Ⅱ歴代誌36章ではヨシヤ王が死んだ後に、4人の王が登場します。ユダの国はエジプトとバビロンと言う強国に挟まれて揺れ動き、やがて滅んでいくのです。

1.4人の王（1～24節）

①エホアハズ（在位3カ月間、1～4節）

　ヨシヤ王の死後、ユダの民たちはエホアハズを王としました。彼は主の目の前に悪を行っていました（第Ⅱ列王記23:32）。3ヶ月後にエジプトは彼をとらえて幽閉し、やがてエジプトへ連れて行きました。

②エホヤキム（在位11年間、5～8節）

　エジプトは彼を王として立てました。エホヤキムは預言者の口から語られた神の言葉を完全に無視しました（エレミヤ36:9~26）。エホヤキムはネブカデネザルによって青銅の足かせに繋がれ、バビロンに引いていかれました（第Ⅱ歴代誌36:6）。

③エホヤキン（在位3ヶ月と10日、9～10節）

　エホヤキンが王位に着いた時、バビロンは直ちにエルサレムを攻め、わずか3ヶ月で降伏させました。そして王とその家族、有能な者たち一万人がバビロンに連行されました。これが第一回目の捕囚です（BC.597）。

④ゼデキヤ（在位11年、11～21節）

　ゼデキヤはバビロンによって王とされましたが、やがてバビロンに反逆し、エルサレムはバビロン軍に包囲されました。エルサレムは陥落し、多くの者が殺され、また捕囚となりました。これが第二回目の捕囚です（BC.587）。21節では、この滅びがユダの罪の故の滅びであることが記されています。

2.主のことばの実現（22～23節）

　70年の時を経て、神はペルシアの王キュロスを通して、ユダの民がエルサレムへ戻れるようにされました。エレミヤの預言どおりです。神は歴史を支配されるお方です。

　主の誕生の時も同じです。ローマ皇帝が住民登録をせよと命じました（ルカ2:1~2）。皇帝アウグストゥスは、帝国の独裁者となり、ローマの平和を築きました。アウグストゥスの権勢、名声は大変なものでした。しかし、この皇帝の命令も神のご計画の中にあったのです。神は救い主の誕生のために、皇帝をも用いられたのです。マリアとヨセフはともにダビデの家系だったので、住民登録のためにベツレヘムに向かいました。そして預言どおり、救い主はベツレヘムでお生まれになったのです（ミカ5:2）。二人はベツレヘムに着くと宿を探しましたが、宿屋はどこもいっぱいでした。そのため救い主は家畜小屋でお生まれになりました。

　救い主であるお方がこのような低い状態で生まれたのは、この世でどんなに低く貧しい境遇に置かれた人にとっても救い主はその人の友となることができるという素晴らしい意味を持っています。当時、人々から見下げられていた羊飼いたちに救い主の誕生の知らせが最初にもたらされたのです（ルカ2:12）。羊飼いたちは救い主のもとに来て喜び、神を賛美して帰っていきました（2: 20） 。今日はクリスマ礼拝です、私たちもこの救い主を信じ、賛美いたしましょう。救い主は私たちのために貧しくなってくださいました、それは私たちの救いのためでした（第Ⅱコリント8:9）。私たちもこのクリスマスの時、イエス様に倣って、誰かのために犠牲を払い、愛を与えましょう！