主の目にかなう歩み

序

　第Ⅱ歴代誌27章には主の目にかなった歩みをしたヨタム、28章は主の目にかなわない歩みをしたアハズのことが記されています。

1.ヨタム、ゆるぎない霊性（27: 1～9）

　ヨタムとは「主の完全」という意味があります。その名のように彼は主の目にかなうことを行いました（2節）。ヨタムはアンモンとの戦いにおいて勝利しました。それ故、経済的な豊かさが与えられ、ユダの山地に町を建て、森林地帯には城塞とやぐらを築きました。そして、その力は自分で得たものだと錯覚することなく、主の前に自分の道を確かなものにしました。彼は揺るぎない霊性をもって、堅実な歩みをしました。私たちも主を第一にするヨタムように、周囲の流れに流されることなく、地道に歩み続ける揺るぎない霊性を求めましょう。

2.主に信頼できないアハズ（28: 1～15）

　アハズの姿は、主の前に自分の道を確かなものとした父ヨタムの霊性とはまるで正反対でした。彼は父祖ダビデとは違って、主の目にかなうことを行わず、堕落した隣国イスラエルの王たちの道を歩み、偶像礼拝をしました。自分の願いを偶像の神に受け入れてもらうために、自分の子どもたちを火の中をくぐらせるという事までしました（3節）。さらにアハズは主に助けを求めるべきなのに、アッシリアの王に助けを求めました（16節）。彼は多くの貢物をアッシリアの王に送りましたが、それは何の助けにもなりませんでした（21節）

　アラムとイスラエルの連合軍がユダを攻めてきたときに王であるアハズの心は揺れ動き（イザヤ7:2 ）恐れに支配されていました。イザヤは、主に信頼して静かにするようにと、メッセージを語りました（イザヤ7:4,9）。このような時にインマヌエル預言（救い主が与えられるという預言）が与えられました（イザヤ7:14）。

　この預言はイエス・キリストの誕生において成就しました（マタイ1:23）。イエス・キリストはまことの神であり、まことの人となられた方ですから、私たちと同じ人間性を取られました。このイエス様を信じることによって神と一緒にいることのできる恵みが実現したのです。イエス・キリストが、この地上においでくださったことにより、アラムやイスラエルの連合軍どころではなく、永遠の滅亡に追いやろうとするサタンの力から私たちを救ってくださったのです。永遠の滅亡から永遠の命に私たちを導いてくださるということが神の計画です。アハズは間違ったところに救いを求めましたが、私たちはインマヌエルであるイエス・キリストに救いを求めましょう。

　さて、第Ⅱ歴代誌28:9～15には不思議な出来事が記されています。アラムとイスラエルの連合軍がユダを攻めた時にユダに大損害を与えました。さらにイスラエル人は自分の同胞ユダから多くの捕虜を捉えました。ところが、イスラエルの預言者オデデは、捕虜にした同胞を返しなさいと警告しました。それを聞いた者たちは捕虜を解放し、かすめ奪ったものを手放しただけではなく、捕虜の人たちの世話をして、エリコの町まで連れて行ったのです。不信仰の故に敗北したユダの民でしたが、神は彼らを見捨てられませんでした。主の哀れみの深さを思います。

　私たちはアハズのようではなく、ヨタムのように主の目にかなう歩みをしましょう！