主に忠実なものと

序

　第Ⅱ歴代誌22章ではヨタムの末子アハズヤが王位に着きます。彼は北イスラエルと同盟を結び、エフーによって殺されました。彼が死んだ後、彼の母アタルヤは王の一族を皆殺しにして自分が王となりました。

1.エホヤダ奮い立つ（23:1～15）

　王の一族が皆殺しにされた時、王アハズヤの妹で、祭司エホヤダの妻であったエホシェバは、生まれたばかりのアハズヤの子、ヨアシュを助けました。6年間、主の宮で匿われ、育てられました。

　7年目にエホヤダは奮い立って、ヨアシュを王位につける計画を実行しました。それはダビデの子孫をユダの王位つけると言う主の約束（第Ⅱ歴代6:16）を実現するためでした。主のみ言葉に基づき、主のために奮い立つ一人の人によって主の御心は実現されます。エホヤダは近衛兵たちと契約を結び、レビ人を集め計画を正しく実行しました。このように、主のために奮い立つ人とともに、多くの協力者と綿密な計画がなければ御心は実現しません。エホヤダはヨアシユを王位つけ、民と王の間で、彼らが主の民となると言う契約を結ばせ（16節）、偶像を一掃しました。私たちも主のために奮い立つものとなりましょう！

2.ヨアシュの背信（24: 15～27）

　ヨアシュは、主の宮を補修しました（24章前半）。しかしヨアシユは、祭司エホヤダの死後、神から離れていきました（18節）。そして預言者たちの戒めに耳を貸さず（19節）、忠告するエホヤダの子ゼカリヤを殺しました（37節）。彼は、憐れみによって、生かされた者であるのに、高ぶり、背信の道を歩みました。エホヤダのお陰で守られたのに、その恩を忘れ、その子ゼカリヤを殺したのです。なんと残念なことでしょう。

　その結果、攻めてきたアラム軍に宝を分捕られました（23節）。このように彼は晩年、主から離れ、偶像に仕えるようになりました。エホヤダの生きている間だけ主の目にかなうことを行っていたのです（2節）。人頼りの信仰ではなくて、御言葉によって主に結びつきましょう。

　イエス様は、このゼカリヤの死のことを言及しておられます（マタイ23:35）。ここでの「バラキヤ」はエホヤダの別名です。ゼカリヤが「ザカリヤ」と書かれていますが、同一人物です。

　イエス様はここで律法学者、パリサイ人に災いを宣言されました。パリサイ人とは、日常生活の中で神に仕えようとするユダヤ教の信者です。様々な職業の人がいました。律法学者は律法の専門家です。当時、律法学者の大半はパリサイ人でした。イエス様は、彼らの偽善という罪、主を恐れない罪を厳しく指摘されたのです。旧約聖書の初めから終わりまでの義人への迫害の罪の報いが、今この時代に及ぶと宣言されました。先祖も刑罰を受けます。しかし、今の時代は、さらに先祖からの罪の全てを受けるのです。イエス様は母鳥が雛を翼の下にかくまうように、イスラエルの民を優しく呼び寄せられました（37節）。しかし、彼らはそれを拒否したのです。それどころかイエス様をとらえて殺そうとしました（マタイ26:4）。晩年のヨアシユが預言者を殺したのと同じです。

　愛を以って招いてくださっているイエス様を拒絶するのではなく、心を開いて受け入れましょう。神の子を受け入れるものは、神の子どもとなる特権が与えられるからです（ヨハネ1:12）。また、エホヤダのように最後まで主に忠実なものとさせていただきましょう！