祝福を相続する

序

　ヨセフは父をエジプトへ呼び寄せました。年老いたヤコブは祖父アブラハムと父イサクとつながりのあるベエル・シェバで礼拝を捧げました（46:1）。その時、神は「エジプトに下ることを恐れるな」と語られました（46:3）。この神の語りかけによって、ヤコブは恐れることなく約束の地を離れ、エジプトに下りました。その後、ヤコブはヨセフのいるエジプトで暮らしました。

　エジプトに来たヤコブの家族が70人であった（46:27）との記述は、おそらく神のみわざの完全性を示すものだと考えられます。女性たち、使用人たちを含めると、はるかに多くの人たちがいたと思われます。神がヤコブの家族をエジプトに、滞在するように導かれたのです。

1. ヤコブの遺言（47:27～31）

　ヤコブがエジプトに来て17年が過ぎました。ヤコブは息子ヨセフに先祖の地に葬ってほしいとの願いを遺言しました。具体的には、カナンの地にあるエフロンの畑にある洞穴です（49:29）。神は先祖アブラハムにカナンの地を、子孫に与えると約束されました。ヤコブはその約束を信じたのです（47:29,30）。ヨセフはヤコブに言われたとおりにすることを誓いました（47:30）。その後、ヨセフは、そのとおりにしました（50:13）。

2. ヤコブの祝福（48:1～7）

　ヨセフは父のところに2度目の訪問をしました。父が会いたがっているという知らせがあったからです。2人の息子を連れて行きました（48:1）。ヤコブはヨセフに言いました。「全能の神はルズで私に現れ、祝福された。」と、過去を振り返ります。聖書の神は全能の神です（17:1、43:14）。ルズはべテルの古い名前です（28:19）。その地で、神はヤコブを祝福すると約束されたのです（28:13∼15）。

　次に、ヤコブはこの2人の孫を自分の子にしたいと申し出ました。つまりヨセフには2倍の祝福を授けるということなのです。ヤコブが手を交差しているのでヨセフは抗議しますが、ヤコブは弟は兄より大きくなると預言しました（48:19）。その預言通り、約束の地でエフライムは大きな土地を与えられ、このエフライム族からヨシュアという指導者が後に立てられるのです。このようにヤコブは信仰によって、子孫を祝福しました（ヘブル11:21）。そして、長子の権利は長男ルベンではなくて11番目のヨセフに与えられました（第Ⅰ歴代5:1,2）。

　イエス様は神のひとり子であられます。イエス様は神を信じ、神の子とされた私たちにとって、長子となってくださったのです。ですから、私たちの長子はイエス様です（へブル1:6、ローマ8:29）。私たちはイエス・キリストによって神の子としてしての特権が与えられているのです（エペソ1:5）。長子であるキリストとともに神の祝福の共同相続人とされ（ローマ8:17）、すばらしい特権と祝福が与えられているのです。また、それだけではなく、私たちには周りの人々を祝福する責任があるのです。ヤコブがエジプトの王を祝福したように（創世記47:7,10）、またヤコブが子孫たちは祝福したようにです。

　ヤコブは147歳で亡くなるまで（47:28）、周りの人々を祝福しました。神の恵みによって生かされている私たちは、神の祝福を広げていく責任があるのです。今日は敬老祝福式です。特に長寿の恵みに預かっておられる愛する兄姉も、ヤコブのように、ますます周りの人々を祝福する恵みに満ちますように、心からお祈りします！