復活の主

序

　イースターおめでとうございます。マルコの福音書は、復活の朝の出来事をマリヤたち三人の婦人に焦点を合わせています。それは彼女たちが復活のキリストにお会いした最初の人たちであったからです。

1. 空の墓（マルコ16:1～6）

　ルカ22:10 にはマグダラのマリヤ、ヨハンナ、ヤコブの母マリヤ、彼女たちといっしょにいたほかの女性たちとありますから、少なくとも５人以上の女性が日曜の朝、主が葬られた墓に出かけました。死臭を追い払うために、死体にさらに油や香料を塗るためでした。この女性たちは主イエスのガリラヤ伝道の時からの協力者でした。（ルカ8:2以下）

　そういう女性たちの体験した第一のことは、墓が空になっていたことでした。主の使いが天から降りて来て、石をわきへ転がしていました。（マタイ28:2）墓の中には青年のように見える天使が、主はよみがえられたと告げます。

2. ペテロに伝えよ、みことばを思い出す（マルコ16:7～8）

　天使は、女性たちに主イエスの伝言を語ります。その内容は、主が前に言われたとおり、そこ（ガリラヤ）でお会いできるということでした。

　主は前もって弟子たちに、自分は死ぬが、よみがえり、ガリラヤで会うと約束されていました。そして、三度主を否定したペテロのことも忘れずに、「弟子たちとペテロに」（マルコ16:7）と言われたのです。約束どおり、イエスさまはペテロに現れてくださり、新しい使命を与えられます。（ヨハネ21：15）主はペテロを見捨てられませんでした。1ペテロの手紙を読みますと、ペテロがどのように変えられたがわかります。ペテロは他の人たちを励ます人に変えられました。（1ペテロ5：10）

　ルカ24:6 では、天使は「ガリラヤにおられたころ、お話しになったことを思い出しなさい。」と女性たちにも語りかけます。マグダラのマリヤたちはガリラヤ伝道の時、主イエスがご自分が殺され、三日目に復活すると語られたのを何度も聞いていたのです。

女たちはイエスのみことばを思い出した。（ルカ24:8）

墓が空であることだけでは復活信仰は生まれませんでした。復活信仰は主のみことばによるのです。 ですから、信仰は聞くことから始まります。聞くことは、キリストについてのことばを通して実現するのです。（ローマ 10:17）主のみことばが復活信仰を生み出すのです。 しかし、その時、女たちは、恐ろしさのあまり震えあがり、そこから、逃げ出します。そのことを誰にも言わなかったのです。しばらくして、そのことを弟子たちに報告しますが、だれもそれを信じません。イエスさまの復活は、人の考えを超えた出来事で、最初は弟子たちでさえ、信じることができなかったのです。

3. 弟子たちの派遣（マルコ16:9～20）

　有力な写本では、マルコ16：8で終わっていますが、その他の多くの写本には9～20節の長い追加分が記されています。これらの記事によって主が弟子たちに現れて、伝道に遣わされたことがわかります。

　復活された主ご自身は、女性たちや他の男の弟子たちにも次々に現われ、復活が事実であることをあかしされます。 イエスさまの復活は、弟子たちが考えだしたものではありません。驚くべき神の奇跡です。十字架で死なれたイエスさまを、全能の父なる神がよみがえらせられたのです。 よみがえられたイエスさまは弟子たちに「全世界に出て行き、福音を宣べ伝えなさい。」と命じられます。 その後、主イエスは天に上げられます。「使徒の働き」を見ますと、主は天より弟子たちに御霊を注ぎ、復活のキリストの証し人とされます。弟子たちは、出て行って至る所で福音を伝えます。それは主の働きでした。

弟子たちは出て行って、いたるところで福音を宣べ伝えた。主は彼らとともに働き、みことばを、それに伴うしるしをもって、確かなものとされた。（マルコ 16:20）

　私たちもみことばにより、生きておられる主を信じて歩みましょう。そして、聖霊に満たされ、キリストの証し人となりましょう。主は生きおられ、今も信じる者を通して、大きな働きををされます。

　主は生きておられ、今日もあなたの先頭に立って進んでおられるのです。