主の復活

序

　マルコ15章には、イエス様が十字架にかかり、死なれ、墓に葬られたことが記されています。そして、死に勝利し、三日目によみがえられたのです（16章）。

1.主の復活（マルコ16:1～13）

　3人の女性は、安息日が終わると、すぐ油と香料を持ってイエス様の体が収められている墓へ急ぎました。週の初めの日とは、日曜日のことです。この日曜日がやがてイエス様の復活を記念する主の日となり、クリスチャン達が集まって礼拝する日となりました。

　彼女たちが墓に着くと、石は既に転がされていました。墓の中に入ってみると、真っ白な衣をまとった青年（御使い）が、右側に座っているのが見えました。すると、御使いは2つのことを婦人たちに伝えました。

　1つ目はイエス様の復活です。「あなた方は…イエスを捜しているのでしょう。あの方はよみがえられました。」と告げました。

　2つ目は「イエスは…ガリラヤへ行かれます。前に言われたとおり（14: 28）、そこでお会いできます。」

　そして、弟子たちに宣教の使命を与えられました。

　婦人たちは恐ろしさのあまり震え上がり、逃げ帰っていきました。そして誰にも何も言いませんでした（8節）。しかし、しばらく経ってから、そのことを弟子たちに報告したのですが、彼らはそれを信じませんでした。イエス様の復活は、人間の知識や経験をはるかに超えた出来事であり、信じる事は容易なことではありません。それを現に目撃した者たちでさえ、初めは、信じることができなかったのです。

　イエス様は信じる人々に現れてくださいました。最初にマグダラのマリア、詳しくはヨハネ20章11～18節に記されています。「彼女は、かつて七つの悪霊をイエスに追い出してもらった人」（マルコ16:9）でした。その時以来、彼女は献身的にイエス様に仕えてきました。

　次に2人の弟子にイエス様はご自分を現わしてくださいました（ルカ24:13～35）。彼らは大急ぎで、他の弟子たちにそのことを知らせましたが、他の弟子たちは、その話も信じようとしませんでした（マルコ16:13）。

　このようにイエス様の復活を目撃した仲間の弟子たちが伝えても、それを聞いた人々は、信じなかったのです。復活の出来事が、これほどまでに人間にとっては信じがたいことが強調されています。イエス様の復活は弟子たちが考え出したことではなく、驚くべき神の御業です。イエス様は全能の神の力によって墓の中からよみがえり、弟子たちに現れたのです。

　イエス・キリストの復活は、キリストの教えと地上での宣教が真実であることを証します。言いかえるならば、復活はイエス・キリストが神の御子であることと、福音が真実であることを証しているのです（ローマ1:2～4）。また、キリストが罪と死と悪魔に勝利したことを証します。

2.弟子の派遣（マルコ16:14～20）

　その後、イエス様は、11人の弟子たちが食卓についているところに現れ、彼らの不信仰と頑な心を責められました。それから、イエス様は弟子たちに「全世界に出て行き、すべての造られた者に福音を宣べ伝えなさい。」（マルコ16:15）と命じられました。神は最初、不信仰であった弟子たちを信頼して、世界宣教という大きなみわざを行われるのです。私たちも弱い者であるにもかかわらず、神の福音のために奉仕させていただけます。イエス様は弟子たちに素晴らしい恵みと力を与えられました。

　その後、イエス様は天に上げられ、神の右の座に着かれました。「神の右の座に座る」ということは、イエス様が父なる神とともに栄光の座に着いて、全てを支配されることを表しています。そして、弟子たちによる福音の宣教が始まりました。イエス様が、天に帰られた後、弟子たちは福音を述べ伝えました。これは主の働きでした（20節）。弟子たちの働きは聖霊による主イエス様の働きでした。

　キリストの福音は、「きよく、朽ちることのない永遠の救いの宣言」と表現されています。この素晴らしい知らせを、イエス様は弟子たちを通して全世界に送り届けようとされています。私たちはこの福音によって救われただけではなく、今度は他の人に送り届ける責任があるのです。証していきましょう！