主のよみがえり

序

　ヨハネ20章には、主イエスの死体の葬られた墓が、からになったこと。そして、復活された主イエスが弟子たちに姿を現わされたことが記録されています。　　

1.開かれた墓（1～10節）

　週の初めの日（日曜日）の朝、イエスさまを愛する女性たちが、イエスさまの体に香料を塗ろうとして、墓に行きました。墓に着くと、墓の大きな石は取りのけられていました。マグダラのマリヤは、二人の弟子たちに報告しました。『それで、走って、シモン・ペテロと、イエスが愛されたもう一人の弟子のところに行って、こう言った。「だれかが墓から主を取って行きました。どこに主を置いたのか、私たちには分かりません。」』（2節） マグダラのマリヤが「私たち」と表現していますから、ほかの女性たちもいたことがわかります（マルコ16:1、ルカ24:10）。

　二人の弟子とは、ペテロと、イエスが愛されたもうひとりの弟子（ヨハネだと思われる）でした。ヨハネの方が若かったので墓に先に着きましたが、後から来たペテロが先に墓に入りました。後に続いてヨハネも入りました。 そこではこう表現されています。「（ヨハネは）入って…見て、信じた。」（ヨハネ20:8）ここの「見た」（ギリシヤ語、ホラオー）という表現は、見て納得したという意味です。ヨハネはイエスさまの体がないことを見て納得し、復活を信じました。しかし、この時点では、弟子たちはイエスさまの復活を預言する聖書のことばを、はっきりと悟れるようにはなっていませんでした（9節）。救い主は、よみがえると旧約聖書に預言されている内容をしっかり理解してはいなかったのです。

　イエスさまが復活された後、イエスさまによって聖書が解き明かされ、目が開かれて、弟子たちはそのことを本当に理解したのです。

　「それからイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心を開いて、こう言われた。「次のように書いてあります。『キリストは苦しみを受け、三日目に死人の中からよみがえり、その名によって、罪の赦しを得させる悔い改めが、あらゆる国の人々に宣べ伝えられる。』エルサレムから開始して、あなたがたは、これらのことの証人となります。」 （ルカ24:45～48）　

2.主に出会う（11～18節）

　復活の主が最初に出会われたのは、マグダラのマリヤでした。マリヤは、イエスさまの体を誰かが取って行ったと思い（2節）、墓の入口で泣いていました。からの墓の中で、御使いたちを見ても、なお悲しみの涙が去ることがありませんでした。

　マリヤが振り向くと、そこにイエスさまが立っておられましたが、彼女は、その人を園の管理人だと思いました。しかし、マリヤは、自分の名前を呼ばれた時に、その方がイエスさまであることがわかりました。

　マリヤは、復活されたイエスさまにしがみつこうとしましたが、主イエスは、「すがりついてはいけません。わたしはまだ父のもとに上っていないのです。」（17節）とおっしゃいました。彼女が目に見えるイエスさまに固執することは、イエスさまの昇天を妨げるのです。イエスさまは天の父なる神のもとへ上り、ご自分によって神に近づくすべての人のためにとりなしをされる使命があったのです。

　「 したがってイエスは、いつも生きていて、彼らのためにとりなしをしておられるので、ご自分によって神に近づく人々を完全に救うことがおできになります。」 （ヘブル7:25）

　そして主の復活を、兄弟たち（弟子たち）に伝えるようにマリヤに命じられました（ヨハネ20:17）。主イエスは、主を信じる私たちの「長子」となられ（ローマ8:29）、私たちを神の家族の一員として「兄弟」（ヘブル2:11）と呼んでくださるのです。

　私たちもマグダラのマリヤのように復活の主をお伝えしましょう！主は私たちの罪のために死なれ、死に打ち勝ち、よみがえられたのです。

　主イエス・キリストは聖書を通して、今も信じる者に会ってくださるのです。何と幸いなことでしょう！