まず、主のことばを

序

　南ユダの王､ヨシャファテは神を恐れ、神を信じる王でした（第Ⅱ歴代誌17:4）。19～20章でその王の良きわざが記されています。19章では、民を主に立ち返らせたこと、20章では、主に祈り、勝利したことが記されています。しかし、この18:1では大きな失敗をしています。

1.ヨシャファテの失敗（18:1～27）

　彼は北イスラエルのアハブ王と婚姻関係に入りました（1節）。彼は長男ヨラムの妻としてアハブの娘アタルヤを迎えました。アハブの妻、イゼベルは熱心な偶像崇拝者でした。それ故、ヨシャファテの失敗は次に続く世代に大きな災いをもたらすこととなりました。ヨシャファテが死ぬと、ヨラムは6人の兄弟を皆殺しにし（21:4~6）、偶像礼拝に走りました（21:11~13）。やがて、敵が攻めてくるとヨラムの子らは末子アハズヤ（エホアハズ）を除いて、皆奪いさられました（21:16,17）。アハズヤが殺されると、母親のアタルヤによる6年間の悪い政治が続きました。

　18章で、ヨシャファテはアハブの誘いに応じて、アラムとの戦争に出かけることになります。信仰深いヨシャファテは、「まず、主のことばを伺ってみてください」と言いました（4節）。400人のアハブの預言者たちはアラムとの戦いに勝利できると預言しましたが、ヨシャファテは彼らの預言を疑い、真の預言者を求めました。

　アハブ王の使者は、預言者ミカヤに王の機嫌をとってほしいと願ったので、彼は偽預言者の大げさな口調を真似て語りました。そのことを感じ取ったアハブは再度の預言をミカヤに迫りました。ミカヤは、アハブの勝利を預言した者たちは偽りの霊に惑わされていると言いました。16節でミカヤは、飼い主のいない羊と、主人のいない民を強調することによって、暗にアハブの死を預言しました。怒った偽預言者ゼデキヤはミカヤを殴り、さらに、アハブによって、投獄されてしまいました。

2.神の支配（28～34節）

　アハブは、ミカヤの預言が気になり変装しました（29節）。しかも、ヨシャファテには王服のままで行くように勧めたのです（29節）。ヨシャファテは敵の攻撃を受けましたが、彼は主に助けを叫び求めたので、主は彼を助けられました（31節）。一方、変装していたアハブは一人の兵士が何気なく放った矢によって預言通り、死にました。神は全てを支配されるのです（箴言16:33、マタイ10:29）。

　私たちも、まず主の言葉を求めましょう。そしてすべてのことが神の御支配にあることを知り、この神の導きに従っていきましょう。 ヨシャファテが、熱心な偶像崇拝者アハブ家と婚姻関係に入ったのは、大きな失敗でした。しかし、みことばを求め、主に助けを叫び求めたので、助けられました。 祈りが最善の道です（詩篇145:18）。また、困難の中であっても、神のご支配、摂理を信じ、平安を得ましょう（マタイ6:26）。

　信仰深いヨシャファテは、第Ⅱ歴代誌20章で、主に祈り勝利しましたが、また北イスラエル王（アハズヤ）と同盟を結び失敗しました（20:33∼37）。人は弱いものです。自分の弱さを知り、常に主に結びつきましょう（ヨハネ15:4）。