救いの証

私は昭和12年（1937年）大阪市旭区で生まれ育ちました。やがて日本では戦争が始まり、母と、幼い私と妹は奈良県生駒郡（現在の生駒市）の親戚を頼って疎開しました。昭和20年、終戦となり、母は妹を背負い私の手を引いて、大阪環状線は動いていなかったので、線路伝いに実家に帰ったのを覚えています。父は戦後まもなく病死しました。 　その後、私はずいぶん、ひもじい思いをしました。小学校時代は不登校でした。中学生時代、少し生活が安定しました。

　中学校を卒業し、松下電器（現在のパナソニック）に就職しました。その後26歳の時結婚し2人の娘を与えられました。会社では夜間、高校に行かせてもらって働くことが出来ました。16年勤めましたが、人を教える立場になり、私には一生、現場で働くほうが向いていると思い、家内の兄の紹介で町工場に転職しました。朝早くから夜遅くまで働き、好きな晩酌をして寝る日々でした。 　家内と娘たちは、キリスト教会に行くようになり、時々、誘われましたが頑固に断っていました。長女が小学校に入学し、私はPTAのソフトボール部に入会しました。日曜日には練習試合、市の大会にも出ました。練習の後皆で飲み会をするのが唯一の楽しみだったので、教会には行きませんでした。 　ある時、ソフトから帰りに酒を飲み、すぐに風呂に入ったところ、そのまま意識不明になりましたが、家内が発見してくれて救急車で運ばれ、肺炎になりましたが無事いやされました。生島先生が駆けつけて祈って下さいました。 　その後、会社の健康診断で高血圧、糖尿病と診断され、お酒をやめるように言われましたが、薬を飲みながらもお酒を飲んでいました。 　ある時、とつぜん腹が痛みだし、またもや救急車のお世話になり、検査の結果、急性すい炎と云うことでした。ICUに入り、3割の人は亡くなると云われ、覚悟しました。その時も、教会の先生をはじめ皆様に祈っていただき、快方に向かい、ようやく一般病室に移されました。 　神さまが癒してくださったことがわかり、洗礼を受けたいと願い、病床で受洗させていただきました。退院のとき、お酒はぜったい飲んでは駄目ですと云われましたが、しばらくするとお酒の誘惑に勝てず、家内に内緒で飲んでしまい、又すい炎になりましたが、わりと軽くいやされました。今度こそ本当に悔い改めて、とうとうお酒をやめることができました。

　人生の晩年ですが、病をとおして、癒し主、救い主であるイエス様を信じ、毎日聖書を読み、わからないところもありますが、主に感謝しながら過ごせますようにと願っています。 　次の聖書のみことばを自分の人生の御言葉としています。 　「常に喜べ。絶えず祈れ。すべてのことに感謝せよ。」　ハレルヤ、感謝します。