神の恵み

　今日は私が信仰を持つきっかけ さらに強く信仰を持つようになったきっかけ 神様との向き合い方について考えさせられたきっかけ の、3つについてお話させていただきます。

　祖父がクリスチャンだったので、一族で子供のころから教会に通っていました。 聖書の話はどのおとぎ話よりもおもしろく、教会の音楽も好きでした。 教会でギターを覚え、教会で学び、教会で育てられました。 高校1年生のクリスマスにイエス様が好きで、聖書に何の疑いも持っていないのであれば洗礼を受けようと思いました。 特にドラマチックなエピソードはないですが、自然に信仰を持ちました。

　次の転機を迎えたのは、私が20歳頃です。 私は大学の学費のために住み込みで新聞配達をしていました。 学生は私を含めて3人で、同じ建物の3階に住んでいました。 ある蒸し暑い夏の夜、寝ていると、隣の部屋の友人が私の部屋に飛び込んできました。 彼は暑い日であるにもかかわらず、毛布で体をぐるぐる巻きにして、ガタガタ震えていました。「俺の部屋に悪霊がいる」と彼は言いました。 クリスチャンの私なら助けてくれるだろうと思って来たとのことでした。 私が起き上がって彼の部屋に行こうとしたその瞬間、 目には見えないけど、はっきりと存在そのものは見えるものが、たくさん、彼の部屋から私の部屋にやってきました。 それらが体にふれた瞬間、動けなくなり、口もきけなくなり、体が凍るように寒くなり、一瞬にして恐怖、悲しみなど、悪い感情がビデオを早送りするように起こりました。

　少し落ち着いたとき、私は「イエス・キリストの御名によって悪霊よ、出ていけ」と言いました。 すると私の部屋にいる無数の悪霊たちが笑い出しました。 しっかり声も聞こえました。 映画のように、十字架を見せたら悪魔が消える、ということはなく、まったく勝ち目がありませんでした。 信仰のパワーだけが頼りだと思い、ノンクリスチャンの彼にも一緒に後に続いて祈れと言い、さらに強く、強く祈りました。 すると今度は天井から、熱いシャワーのようなものが優しく包み込むように降り注いできました。私がもう一度「イエス・キリストの御名によって」と言いかけると、今度悪霊たちは怯えて、ざわつき始めました。「出ていけ」と言うと悪霊たちは凄まじい勢いで轟音とともに出ていきました。 このことを通して私は表面上の信仰ではなく、熱い本当の信仰を持たないといけないということ、サタンはいつでも私達を狙っていること、主は生きておられるということ、聖書に書かれていることは全て完全に本当だということを知りました。

　その後、20代の私は音楽活動に夢中になっていました。 私は作曲家を目指していて、当時一緒に活動していた友人はソロでデビューし、同年代の人なら誰もが知っているような有名な歌手になりました。 私自身は山下達郎さんの事務所のコンクールで優勝したのですが、タイミングが合わないということでデビューが見送られました。 そこでプロのミュージシャンは完全にあきらめ、ワーシップや聖歌のアレンジ、クリスマスのミュージカル用の曲を作ったりしていました。 その関係で今、ゴスペルアーティストで活躍している人と、若い頃から交流があります。 これは友人であるからこそ厳しい意見を言わせてもらうのですが、彼らの多くは、世間一般の音楽業界では成功できなかったけど、キリスト教界なら成功できるんじゃないかという、安易な下心が見えるような人もいるように思えます。

　このレインボーチャーチに来始めた頃、当時お元気だった吉岡先生のメッセージの中で印象的なお話がありました。 礼拝で聖歌を歌っていたところ、一人の人が震えながら教会を出ていったとのことです。 その人は悪霊に取りつかれていて、聖歌によって自分が追い出されるのが怖かったそうです。 この話を聞いて私はまさしくアーメンと思いました。 このゴスペルアーティストと言われている人の中のどれだけの人が悪霊を震え上がらせることができるでしょうか？ 20歳のころの私のように悪霊に笑われることはないでしょうか？ 見た目を着飾っているわけでも、テクニックがあるわけでもない、素朴な礼拝の賛美に本物の力があるのです。

　賛美は力です。 悪霊に打ち勝つ力です。 この力は主から与えられるのです。 私は困難な状況に立たされても、主に生かされていることを心から誰よりも喜び、希望をもってこれからも励んでいこうと思います。

　「恐れるな、ダニエル。あなたが心を定めて、悟りを得ようとし、自分の神の前で自らを戒めようとしたその最初の日から、あなたのことばは聞かれている。私が来たのは、あなたのことばのためだ。」　　ダニエル書 10章12節

　みなさん、これまでありがとうございました。