神の深いあわれみ

序

　明けましておめでとうございます。今年最初の聖日礼拝です。今年の年間聖句はルカ24:27です。よみがえられた主がご自分について聖書全体に書いてあることを弟子たちに解き明かされました。聖書の中心であるイエス・キリストをさらに深く知り、信頼していきましょう。

　マリアは御使いより受胎告知を受けました（28節以下）。その後、親戚のエリサベツの所へ行きました（1:39）。その時、エリサベツは聖霊に満たされて、主の母が来たと語りました。

　その言葉を聞いて、マリアは主を賛美し、「御名は聖なるもの」と告白しました（49節）。神はそのきよさを、イエス様がこの世に来られる方法において表してくださいました。それは処女降誕と言う驚くべき御業でした。この誕生は、マリアが処女であっただけでなく、聖霊の力によるという点が非常に重要です（35節）。このようにして、キリストは罪のない方としてお生まれになったのです（Ⅰヨハネ3:5）。

　マリアは自分のようなものにも目を留めてくださったと、神のあわれみを褒め称えました（ルカ1:46～48）。　

1.ヨハネの誕生（1: 57～66）

　マリアとエリサベツの出会いから数ヶ月が経ちました。ザカリヤとエリサベツ夫婦に月が満ち、男の子が生まれました（57節）。生まれた男の子に彼らはヨハネという名をつけました。主の使いが命じたとおりの名前です（13節）。その時からザカリヤは口が開かれ、元のようにものが言えるようになり、神をほめたたえました（64節）。この出来事を見て人々は恐れを抱き、国全体に語り伝えていきました（65節）。このヨハネは後にバプテスマのヨハネと呼ばれました。

2.ザカリヤの賛美（67～80節）

　ザカリヤは聖霊に満たされ預言しました（68∼79節）。ここには預言を成就させ、誓いを実行して神の民のために救いをもたらしてくださる神への賛美が歌われています。救い主が主の御業をなすのに先んじて生まれたヨハネのなす役割が予告されています。ヨハネは、いと高き方の預言者として主の御前に先立ち、その道を備えることになるのです（76節）。71、74節を見ると神が私たちに敵からの救いをもたらされていることが記されています。その敵とはサタンであり、罪と死と神の救いを妨げるものすべてもののことです。また、この救いが達成されるのは、救われた人が主に仕え、主の御前に敬虔に生き、感謝と栄光を神にお返しして神を礼拝するためです（74,75節）。

　ウエストミンスター小教理問答で、人のおもな目的が記されています。「人のおもな目的は、神の栄光をあらわし、永遠に神を喜ぶことです。」私たちは何をするにも、すべて神の栄光のためにすべきなのです（Ⅰコリント10:30）。神は、私たちが神の栄光をあらわし、永遠に神を喜ぶように導くために、聖書を与えてくださいました。聖書の中心であるイエス・キリストを信じ、神のみこころを聖書によって知り、それに従ってゆくとき、私たちの生活を通して人々は神の栄光を見ることができます。

　さて、マリアとザカリヤの賛歌に共通しているのは、先祖たちに与えられた救いの約束の実現です。ルカ1章には神の「あわれみ」ということばが5回（50、54、58、72、78節1行目）も使われています（55節は脚注にあるとおり原文にはありません。78節2行目は原文では「それにより」になっています。）。ここでの「あわれみ」は直接的には、ザカリヤの妻エリサベツとマリアになされた神の大いなる御業を示しています。神のあわれみの究極はイエス・キリストを通して表された十字架と復活による救いの出来事です。その背後には、神の私たちに対する一方的な愛があるのです。マリアやザカリヤのように、私たちも神のあわれみを褒め讃えましょう！